ごあいさつ

 日本植物防疫協会は、植物防疫に関する技術や知識の進歩を図り、農業生産の安定に寄与することを目的として1953年に設立されました。設立以来、病害虫防除に必要な資材の開発と登録の支援に向けた調査研究をはじめ、研修会やシンポジウムの開催など普及教育活動、書籍の発行や各種資材の提供など、植物防疫関連事業を多方面から展開してまいりました。2012年4月からは「一般社団法人日本植物防疫協会」として新たなスタートを切りましたが、非営利法人としてそれまで以上に公益的な事業活動を展開し、会員各位をはじめ、全国の植物防疫関係組織や業界の信頼をますます厚くしているところです。                                                  
 農作物を加害する病害虫の種類は大変多く、食料の安定供給のためその防除対策は世界的にも大きな課題となっています。我が国にあっては、高い品質の農産物を安定的かつ効率的に生産していくために、諸外国以上に高度な病害虫防除対策が求められています。
 近年、気候変動や休耕地の増加等に伴って新たに問題化する病害虫が増えており、国内未発生の病害虫の侵入リスクも高まっています。これら病害虫の防除対策を支援していくため、当協会では試験研究事業や助成事業を通じて効果の高い化学農薬や生物農薬の実用化を促進しています。また、安全で省力的な防除方法に関する様々な調査研究にも取り組んでいます。これら研究業務は、全国5カ所に展開する自らの試験施設のほか、全国の試験研究機関との連携によって推進しています。
 他方、病害虫は蔓延すると広域に被害が及ぶことから、新たに問題化する病害虫や効果的な防除方法について、植物防疫に携わる関係者が日頃から情報共有していく必要があります。また、防除手段となる農薬については、規制・制度のめまぐるしい変化を背景に、最新の情報共有がますます重要となっています。当協会ではこうした様々な技術情報を迅速かつ的確に提供するとともに、生産現場に的確な助言ができる人材の育成にも取り組んでいます。
 植物防疫は、植物病理学、応用昆虫学、農薬科学といった専門分野を裾野に、ひろく農業経済学やレギュラトリーサイエンスとも関連する総合科学の分野です。これら学術的な活動の支援も当協会の重要な使命のひとつです。
 植物防疫が農業に果たす役割は極めて大きいとの認識のもと、今後も植物防疫の推進を通じて農業生産の発展に貢献するべく、役職員一丸となって堅実に事業を推進してまいります。
                                        代表理事・理事長 藤田俊一