開発の経緯

 微粒剤Fは、1970年代に考案され、一時は数十剤の登録農薬がありました。その優れた低飛散性は当初から注目されていましたが、同時期に開発されたDL粉剤(粉剤に含まれる微粉をカットした製剤)に需要がシフトしたため、その後、相次いで登録を失効しました。一方、平成18年にポジティブリスト制度が導入されると、各地で農薬散布時の飛散防止対策が求められるようになりました。
  そこで、水田の中後期防除に用いられるDL粉剤散布の代替となる病害虫防除法の検討をすすめていた一般社団法人日本植物防疫協会は、微粒剤Fの低飛散性に着目し、平成18年10月に微粒剤F協議会を発足し本格的な実用化に乗り出すことになりました。 
photo
 微粒剤F協議会は、事務局を日本植物防疫協会に置き、農林水産省、農林水産消費安全技術センター、JA全農、農薬企業、防除機企業などの参画を得て、微粒剤Fの早期実用化を目指して様々な調査検討に短期間に集中的に取り組んできました。

 

 その開発目標は、手持ちの動力散布機で手軽に散布でき、十分な防除効果が得られ、かつ粉剤よりも大幅に飛散リスクを低減することにありました。とくに飛散リスクの低減と防除効果を両立させるために多くの研究が行われ、その安定的な製造のためにハイテク製剤技術が導入されました。一方、手持ちの動力散布機で手軽に散布できるようにするため、製剤規格の統一、散布機の開度調査、均一に散布できるホースの開発などにも取り組みました。また、ホースが使用できない不整型水田での散布法の検討もすすめてきました。

 こうした検討の結果、これまでに幾つかの新しい水稲用微粒剤Fが農薬登録を取得し、散布器具の検討もほぼ完了しました。これと前後して全国の農業試験場や普及指導機関において効果の確認試験にも取り組んでいただき、本剤の早期実用化に強い期待が寄せられています。(平成22年12月)

up