不整形水田での散布方法

 微粒剤Fは散布状態を肉眼で確認しにくいため、ホースを使って散布いただくことが基本です。しかし、不整形である、小面積である、畦はんを歩行できない等の理由でホースが使えない水田の場合には、動力散布機と噴頭で散布することもできます。ただし、この方法は飛散が生じやすく、均一に散布するためには特別の工夫が必要となります。このため、周囲に飛散させてはならない対象物がある場合には不向きな方法です。また、風の影響を極めて受けやすい散布法ですから、風のない時を選んで行うように留意して下さい。

 微粒剤Fの散布量(10アール当たり3〜4kg)は、ひと握りで10崢度を均一に散布しなければならないため、手まきや散粒機などではうまく散布できません。このため、ホースを使用しない場合でも動力散布機を用いることが必要です。動力散布機で直接散布する場合には、短めの噴頭を取り付けて行います(写真)。

散布 噴頭による散布パターンの解説はこちらを参照

ホース散布と異なり、直接散布では到達範囲が10m以内と大幅に狭まります。このため、ホースで散布する感覚で散布すると、規定量を何倍も超過した過剰散布になってしまいます。従って、以下に説明する手順で適正な散布条件を設定し、できるだけ均一に散布するようにこころがけて下さい。
粒剤とは全く異なりますので注意して下さい

◆STEP1 散布エリアの面積から、散布量を決めます
  例えば、散布エリアが4アール(400屐砲任△譴弌3〜4kg×4/10=1.2〜1.6kgということになります。必要な量だけを秤り取ってタンクに入れるようにします。
噴頭による散布パターンの解説はこちらを参照

 

◆STEP2 どのように散布するかを決めます
  到達範囲はスロットル半開で6〜9m(全開で散布すると飛散が激しくなります)しかありませんので、以下に示した例を参考とし、どのように歩行散布したら散布エリアをうまくカバーできるかを考えます

散布図

 

実際の散布事例はこちら

◆STEP3 シャッター開度を絞り、噴頭をできるだけ水平に保って散布を開始します
  ホース散布で推奨されている開度から大幅にシャッター開度を小さくし、ゆっくり確実に散布することをこころがけます(ホース散布の1/3〜1/4程度の吐出量が理想です)。スロットルは「半開」を目安にします。噴頭を水平〜やや下向きに散布方向に向けてシャッターレバーを開き、散布を開始します。上下に噴頭をふることは、飛散を増加させるため、やってはいけません。

主な動力散布機の開度別吐出量の情報はこちら

◆STEP4 次の散布地点に移る時には必ずタンクの残量を確認します
  この散布法は、まきすぎが起きやすい方法ですから、次の散布地点に移る時には必ずタンクの薬剤残留を確認し、もし予定よりも残量が少ない時は次の散布地点では素早く散布操作を行うか、又はシャッター開度を絞って散布して下さい。残量が足りないからといって、薬剤を補給して散布してはなりません。

 

動力散布機による噴頭散布は、非常に飛散しやすい散布方法です。また、風があると狙った範囲に確実に散布できなくなります。このため、できるだけ風のない時を選んで行うとともに、周囲をよく確認し、飛散に注意して散布して下さい。
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噴頭による散布パターン
図はイメージですが、噴頭を取り付けないと拡散しやすく、到達性も低くなります。短い噴頭は比較的均一な散布パターンを示します。長い噴頭では到達距離は若干伸びますが、落下範囲が限られる傾向があり、均一な散布には不向きです。また、微粒剤Fは軽いため、粒剤散布のように噴頭を上に向けると到達距離がかえって短くなるだけでなく、飛散が著しく増加します。

 

散布図

小規模な不整形水田を用いた噴頭散布調査結果
散布図
散布図
3頂点から立ち止まったまま回転して散布 畦畔を歩きながら散布、始点・終点では噴頭を回転しながら散布

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エンジン回転数:3600〜6000rpm エンジン回転数:6000rpm
シャッター開度:中3 シャッター開度:中3
吐出量:0.66kg/分 吐出量:0.66kg/分
投下量:4kg/10a 投下量:4kg/10a
風速: 0.5〜0..8m/秒 風速: 0.7〜1.7m/秒

 

<結果概要>
・6000rpmでは飛距離は8〜9m程度。4〜7mに多く分布。
・3600rpmでは飛距離は8〜9m程度。3〜6mに多く分布。(やや強い追い風の影響あり)
・片側からの散布に比べて両側から散布した場合は分布の偏りが軽減された。
・いずれの方法でも付着が認められないような箇所はなく、概ねよく散布できていた。
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ホース散布と噴頭散布時の周辺への農薬飛散

微粒剤Fの専用ホースと噴頭散布の周辺への飛散程度を下図に示す

散布図

散布図

散布図

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