Q&A

1.風がある時でも散布できますか?

 わずかな風でも飛散する粉剤に比べれば、微粒剤Fは飛散しにくい特徴をもっています。しかし、このことをもって微粒剤Fなら風がある時でも散布できると考えるのは禁物です。微粒剤Fは肉眼では散布粒子が見えにくいため、飛散しているかどうかも判断しにくいですから、やはり風の弱い時に散布するのが基本です。なお、ホースを使わないで散布する場合は、極めて飛散しやすくなりますので、できるだけ風がない時を選んで散布して下さい。

2.周囲に野菜が栽培されていても安心して散布できますか?

 風がない時に注意深く散布すれば、近隣に収穫期に近い野菜が栽培されていても、まず大丈夫です。下表に調査結果の一例を示しますが、微風条件の時に散布した場合、風下に置いたコマツナからは全く検出されませんでした。ただし、微粒剤Fの製剤中にも少量ながら飛散しやすい微小な粒子が含まれていますので、風下のかなり近い場所に検出されやすい野菜類が栽培されている場合はやはり要注意です。風向きが変わるのを待ってから散布する、風のない時を選んで注意深く散布する、又は風下側の5〜10mぶんは散布をしないでおく、などの対策をとって下さい。

散布水田の風下のコマツナからの農薬検出結果

散布水田の風下のコマツナからの農薬検出結果
全農・日植防(2008)  単位:ppm

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3.粉剤散布は薬剤を浴びやすくて不快ですが、微粒剤Fはどの程度安心できますか?

 散布者とホースの先端を持つ補助者の吸入曝露量を調査したところ、下表のように微粒剤Fでは極めて少ないことが分かりました。これは、DL粉剤のような薬剤の舞い上がりがないためです。
ただし、安全のためマスクは装着するようにして下さい。また、手元や足下にはある程度の曝露が想定されますので、一般の農薬散布と同様に手袋や長袖・長ズボンを着用して下さい。

散布作業者の口元付近の気中濃度
DL粉剤
微粒剤F
262
1

全農・日植防(2008)
2人の散布作業者の平均値(μg/m3

4.微粒剤Fの価格はどのくらいですか?

 銘柄や混合成分数によっても異なりますが、ハイテク製剤のため、同じ成分構成の粉剤よりは割高になります。ただし粒剤ほどではありません。詳しくは販売店におたずね下さい。

5.散布機は何でもよいのですか?

 粉剤散布に使用している動力散布機なら使用可能と考えられますが、どの開度で使用すればよいかを確認する必要があります。「適応が確認された散布機一覧」では予めメーカーによって確認が行われた機種を紹介していますが、これに該当しない機種の場合、類似の掲載機種の開度を参考にして試し散布を行って下さい。

 ●適応が確認された散布機一覧はこちら

6.専用のホースを使わないとだめですか?

 微粒剤F専用、もしくは微粒剤Fに使用できることが明記されたホースを使用して下さい。農薬用散布ホースには大きく粉剤用と粒剤用がありますが、粒剤用ホースにはそれぞれの穴の内側に衝突板とよばれる小さな突起が取り付けられています。これは粒剤のように大きい粒子を均一に穴から吐出するためのもので、微粒剤Fにも類似の衝突板が必要となります。従って、粒剤用のホースであれば微粒剤Fにも使用できる可能性がありますが、微粒剤Fは粒剤よりもずっと小さいため、メーカーでこれを確認し、微粒剤用に調整するなどの対応が行われています。
  なお、ホースはもともと消耗品ですので、汚損してきたら交換することを心がけて下さい。

散布ホース

 ●ホースの詳しい情報はこちら

7.ホース散布を推奨していますが、どのくらい効率的なのですか?

 一般的な30アール水田(30m×100m)を散布する場合、30mのホースで100mの畦畔をゆっくり歩きながら散布すると、3〜4分で完了します。この水田で10アール当たり150リットル液剤散布しようとすると、毎分20リットル噴霧できる畦畔ノズルを用いても20分以上かかります。無人ヘリは散布時間そのものはホース散布よりも短時間で済みますが、無人ヘリに限らず液剤散布では薬剤調製にも時間を要します。ホース散布は一人ではできないという難点もありますが、薬剤調製の手間もありませんから、全体として効率にすぐれた散布法だといえます。

 

8.ホースが水田に合いません。どうしたらいいですか?

 粉剤用のホースでは、末端を適当な位置で絞ってしまっても散布に大きな支障は生じませんが、微粒剤F用ホースで末端を絞ると均一な散布ができなくなるおそれがあります。これは、末端から空気流を逃がすことでホース内に一定の流れを作り、微粒剤Fをホース全体に行き渡らせているからです。また、握った末端部から吐出した微粒剤Fが周囲に飛散することもあります。このため、水田に合ったホースが入手できないときは、…垢瓩離曄璽垢任△譴丱淵淵瓩砲覆辰栃盥垰局曚垢襦△發靴は ∋局杁‖Δ鮴效任靴道藩僂垢襦↓C擦瓩離曄璽垢任△譴佶端に紐などを取り付ける、ような工夫を行って下さい。

 ●不整形水田の散布法の詳細はこちら

9.ホースがうまく巻き取れません。どうしたらいいですか?

 微粒剤Fや粒剤用のホースは衝突板が取り付けられているため、粉剤用ホースのように綺麗に巻き取ることができません。このため、適当な大きさの麻袋などを用意しておき、それに袋づめして片つけるようにします。

10.粒剤のように散布機に噴頭をつけて散布したらどうなりますか?

 微粒剤Fでも噴頭散布はできますが、粒剤よりもはるかに微細で軽いため、思ったほど遠くまで届かないばかりか、周囲に飛散しやすくなります。また、長い噴頭を取り付けても到達距離は大差なく、かえって散布ムラが出やすくなります。このため、ホースが使えない場合以外はあまりおすすめできませんが、やむを得ず噴頭散布を行う場合は、短めの噴頭を用いるようにし、Q11を参考にして慎重に行って下さい。なお、粒剤のように長い噴頭をナナメ上に向けて散布することは、到達範囲がかえって狭まるだけでなく飛散を著しく助長しますので、絶対に行わないで下さい。

 ●ホースを使わずに動力散布機で散布する方法の詳細はこちら

11.不整形水田や畦畔が歩けない水田ではホースが使えません。どうしたらいいですか?

 水面にまけば自然に拡散する粒剤とは異なり、微粒剤Fを稲体に付着するように均一に手まきすることは容易ではありません。このため、ホースが使えない水田では、動力散布機を用いて直接散布するようにします。この方法は不整形の棚田や小区画の水田に適するもので、大区画の水田には不向きな方法です。また、ホース散布よりも飛散しやすく、うまく散布するにはコツが必要ですから、以下の解説をよく読んでから行うようにして下さい。

 ●ホースを使わずに動力散布機で散布する方法の詳細はこちら

12.シャッターを閉じても薬剤が流れ出てきますが、どうしたらいいですか

 微粒剤Fは粉剤に比べて流動性がよいため、薬剤タンクの底にあるシャッターが完全に閉じられていないと、サラサラと流れ出てしまいます。シャッターに付着物などがあれば取り除き、シャツターが完全に閉まることを確認して下さい。それでも漏れが発生する時は、手元の開閉レバーとシャッターをつないでいるロッドのネジを締めるとシャッターの閉まりをきつくすることができます(詳しくは散布機の取扱説明書を参照して下さい)。

13.シャッターを開けても薬剤が出てきません。どうしたらいいですか?

 手元の開閉レバーがシャッターと連動しているかを確認して下さい。シャッターが開いているにもかかわらず薬剤が出てこない時は、タンクの中で薬剤がブリッジング(軽度の固化)を起こしている可能性がありますので、タンクをたたいたり強くゆすってブリッジングを解消して下さい。なお、散布中にもエンジンの振動でごく希にこうした現象が起こることがあります。時折背中をゆすりながら散布するようにすれば、このような現象を回避するとともに、タンク内での薬剤の偏りを防ぐことができます。

14.散布できたのかどうか肉眼ではよく確認できませんでしたが、効果は大丈夫ですか?

 微粒剤Fは粉剤のような粉だちが全くないため、散布状態を肉眼で確認しにくいという難点があります。ですが、散布者やホースの持ち手からは、よく見るとホースから薬剤が吐出していることが分かりますので、散布中の薬剤の吐出は比較的容易に確認することができます。稲体への付着はよく見ないと確認できませんが、このような付着状態でも十分な防除効果が得られることが確かめられていますので、安心して下さい。なお、薬剤がまだ残っているのに、散布の途中でホースからの薬剤吐出がみられなくなった時は、タンク内で薬剤がブリッジングを起こしている可能性がありますので、Q13を参考にして対処して下さい。

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