卵に入っているカメムシと寄生蜂をかぎ分ける蜂

 チャバネアオカメムシの卵寄生蜂であるチャバネクロタマゴバチは、この害虫の増殖に大きな影響を持つことが確認されています。そこで、この蜂の大量飼育や放飼による利用も考えられます。ところが、密度が高くなると、この蜂の羽化前に2次寄生をするコガネコバチAcrocrisoides sp.が出現し、片端から殺して行きます。この蜂はクサギカメムシの卵寄生蜂にも2次寄生します。
 チャバネアオカメムシ卵の中にカメムシがいるのか、チャバネクロタマゴバチがいるかを外部から見分けて寄生するどんな仕組みを持っているのでしょうか? チャバネクロタマゴバチがチャバネアオカメムシの卵を認識するメカニズム研究にさらに難問が加わるということです。
 同様のことがアクサオカメムシに対する卵寄生蜂Trissolcus vasalisとAcrocrisoides sp.の関係としてオーストラリアで報告されています。カメムシの卵からコガネコバチが羽化してくることはずいぶん昔の1919年に報告されているのです。昆虫界の複雑なネットワ−クはどこまでも興味が尽きません。

チャバネクロタマゴバチの寄生を確認している コガネコバチの脱出痕
(クロタマゴバチに比べて不規則)