ミカンの蕾を利用する昆虫達
ミカンツボミタマバエと寄生蜂


 ミカンのつぼみに産卵する大変珍しいタマバエがおります。緑色のつぼみが割れて白い花びらが見え始める頃から、このタマバエは蕾の中の子房の部分を狙って、蕾のてっぺんから長い産卵管を強引に差し込んで子房に産卵します。その結果はふ化した幼虫が子房を食べ尽くし、花が咲く前に褐色になって、落蕾してしまいます。温州みかんは花がたくさん咲くので有名です。摘果作業をしなければならないほどですから、この虫は害虫と考えられていません。
 ところが、ネ−ブルやオレンジ系のカンキツでは花の数が少なく、果実を確保するのが重要な仕事の1つです。そこでこの虫が害虫となるのです。
 この害虫には変わった寄生蜂がついて回ります。 Inostemma.sp という種類で、図のように頭まで届く突起筒が腹背部から出ています。実はこの中にツボミタマバエの卵に寄生する産卵管がしまい込まれているのです。蕾の上に陣取った蜂は尾部をたてるようにして産卵管を伸ばし、タマバエの卵に自分の卵を産み付けるという離れ業をします。この蜂はツボミタマバエがあまり増えすぎないような役目があるので、場合によって良くも悪くも言われるのです。

ツボミタマバエの卵寄生蜂 腹部腹面と産卵管